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月別アーカイブ: 2025年8月

第16回ダクト工事雑学講座~ニオイ・結露・暑さを“原因から”断つ~

皆さんこんにちは!

株式会社打田設備、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~ニオイ・結露・暑さを“原因から”断つ~

 

設備は入れて終わりではありません。フィルタの目詰まり、ダンパのズレ、外気条件の季節変動——これらは少しずつ快適性と省エネをむしばみます。今日は“直すべき順番”と“効くメンテナンス”を、現場感覚で解説します。


1|症状から当たりをつける

  • ニオイが取れない :排気不足より給気位置ミスのことが多い。→客席側に逆流していないか煙テストで確認。

  • 結露・カビ :外気導入の断熱不良・風量不足・風速過多(滞留/短絡)のいずれか。→ダクト断熱と露点の見直し。

  • 暑い・寒いムラ ️:吹出し口の到達距離不足やレイアウト変更による短絡。→吹出し形状変更や風向可変で改善。

2|メンテは“上流から”が鉄則

  1. 外気取入口の清掃・離隔確認(虫・落葉・油煙)

  2. フィルタ点検(圧力損失で交換判断、目視だけはNG)

  3. ファン・ベルト・防振(回転数・振動・軸受温度)

  4. ダンパ初期値復帰(工事後の“仮設定”を正規化)

  5. 末端風量バランス(TABで帳尻合わせではなく“配管抵抗”を整える)

この順番を守ると、無駄な部材交換を防ぎ、効果測定が明確になります。

3|年間スケジュールの作り方

  • 春(冷房前):外気量・除湿計画の見直し、ドレン詰まりチェック。

  • 夏(高負荷):連続運転での異音・振動監視、夜間の温湿度ログ取得。

  • 秋(切替期):ダンパ開度の季節リセット、消音器の汚れ確認。

  • 冬(加湿期):結露対策の断熱補修、外気取入口の凍結・着雪対策。

4|省エネと快適の“二兎”を取る改善

  • インバータ最適化:ピーク時間帯だけ上げ、アイドルは絞る。**電力▲10〜30%**が現場実感。

  • CO₂連動換気:人の多い時だけ自動増風。会議室・学習塾・美容室で満足度アップ。

  • 熱交換換気(顕熱/全熱):外気導入量を落とさず空調負荷を低減

  • ダクト改修のミニマム化:全更新ではなく、曲がりR拡大・不要分岐撤去・フレキ短縮で圧損改善→静音化も同時達成。

5|“見える化”が現場を強くする

  • センサー3点セット:CO₂・温度・湿度。月次でしきい値と乖離をレビュー。

  • ダッシュボード:担当者がスマホで風量・差圧・アラートを確認。異常の早期発見でダウンタイム短縮。

  • メンテ記録:交換日と“理由”を残す。**“なぜ変えたか”**が次回の判断基準。

6|ミニ事例(要約)

  • ベーカリー:焼成時の熱と臭気が客席へ。→補給給気を床面近くへ移設、排気フードを縁流型に変更。臭気苦情0・電力▲12%

  • オフィス:午後に眠気・だるさ。→CO₂連動に更新、会議室ブースト機能追加。平均CO₂▲400ppm・生産性改善の声

“直す順番”と“見える化”で結果が出る

場当たり的な交換より、上流からの点検→バランス→制御で手堅く改善。私たちは点検・洗浄・TAB・制御最適化までワンストップで支援します。におい・結露・暑さのお困りごと、まずはお気軽にご相談ください♻️

 

 

 

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第15回ダクト工事雑学講座~“ちょうど良い風”~

皆さんこんにちは!

株式会社打田設備、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~“ちょうど良い風”~

「ニオイがこもる」「暑い・寒いムラがある」「作業効率が上がらない」——現場の悩みの多くは“空気の流れ”で解決できます。換気設備・ダクトは、見えないインフラ。だからこそ、設計の入り口で外さないことが最短のコスト最適化につながります。ここでは用途別の考え方から、失敗しない設計・施工の要点までをまとめます。


1|用途で変える“風の作り方”🧭

  • 飲食店 🍜:客席はドラフト感(風当たり)を抑えつつ、厨房の排気主導。排気>給気の軽い負圧で臭気拡散を防止。レンジフードやフード形状、補給給気の位置がキモ。

  • 工場・作業場 🏭:発熱源・粉塵源を「局所排気」で囲い込み、作業者側へ逆流させない。ライン変更が多い現場はダクトの分岐余裕と点検口を計画。

  • オフィス 🏢:CO₂・湿度を監視し、**換気量の可変化(VAV)**を検討。会議室は短時間高負荷に対応できるブースト運転を前提にゾーニング。

  • 医療・研究 🧪:清浄度や圧力差管理が命。陽圧・陰圧の切り替え要件は早期合意。フィルタメンテナンス性と差圧計の見える化が安全性を左右。

2|失敗しない設計の黄金則✅

  1. 発生源主導:ニオイ・熱・湿気・粉塵は“出た瞬間”に捕まえる。全体換気の前に局所排気を設ける。

  2. 給排のバランス:排気だけ増やすと隙間風・扉の開閉不良が発生。補給給気の量・経路・温湿度を同時設計。

  3. 風速と騒音の両立:ダクト内風速を上げれば細く安いが圧損・騒音が増える。騒音基準を先に決めて配管径を確定。

  4. 点検性の先出し:フィルタ・消音器・ダンパは**“触れる位置”**に。天井点検口サイズ、脚立高さ、工具の入りしろまで図面で明記。

  5. 将来余裕:テナント入替・ライン変更に備え、干渉しないルート20〜30%の風量余裕(制御で普段は絞る)。

3|施工でやりがちなNGと回避策⚠️🧯

  • NG:長いフレキダクトの多用 → 回避:可能な限り板ダクト+**緩やかな曲がり(大曲率)**で圧損を低減。

  • NG:ダンパ開度が“現場合わせ”のまま → 回避:**TAB(試運転・風量測定・バランス調整)**を計画に組み込み、記録を残す。

  • NG:排気フード直上に梁・照明 → 回避捕集効率が落ちるので設計段階で干渉チェック。

  • NG:外気取入口が排気口の近接 → 回避:風向、建物の負圧帯を計算。クロスコンタミを避ける離隔・高さを確保。

4|小さな投資で効く改善案💡

  • 可変風量制御(VAV):人の多い時間帯だけ自動で増風。省エネ&快適性UP。

  • DCファン+インバータ:微妙な風量調整が可能。騒音も低減。

  • CO₂・湿度見える化 📊:タブレット表示で“空気の不満”を可視化→苦情・体感ギャップが減る。

  • 消音器・防振:夜間店舗やオフィスフロア下階への音配慮でクレーム予防。

5|導入事例スケッチ(要約)📝

  • 焼肉店改装:排気主導→客席無風化、補給給気を床下スリットへ。臭気クレーム0・ガス使用量▲8%

  • 樹脂成形工場:局所排気+上部循環で上昇気流を制御。作業エリアWBGT▲1.5℃・夏場残業削減

“空気の設計”は利益に直結💴

ダクトは見えないからこそ、計測・制御・点検性を最初に仕込むのがコツ。私たちは用途に合わせた“ちょうど良い風”を設計し、施工からTAB、運用改善まで伴走します。お気軽にご相談ください😊

 

 

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