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第12回ダクト工事雑学講座

皆さんこんにちは!


株式会社打田設備、更新担当の中西です。

 

 

 

ダクト工事の“未来”について

~スマート設備とカーボンニュートラル社会に向けて~

建築業界全体で、カーボンニュートラル・省人化・スマート建築といった未来へのキーワードが飛び交うなか、ダクト工事の在り方にも変化の兆しが現れています。

「空気を送るだけ」の時代は終わり、これからは**“環境を制御するダクト”**へと進化していくのです。

一般的な市場での例を基に解説していきます。


✅ 1. BIMと連携した“プレファブ施工”の拡大

 

今後の建築現場では、設計段階から**BIM(Building Information Modeling)**によって建物全体が3Dでモデリングされ、施工も連動していくことが主流になります。

その中でダクト工事も:

  • 工場でのプレファブ化(ユニット組立済み)

  • 現場での吊り込みのみで完了

  • 施工手間・廃材・人員コストを大幅削減

といった省力化と環境対策を両立する方法が広がりつつあります。


✅ 2. スマートセンサーと連携する“呼吸するダクト”

 

IoT時代の今、ダクトも「空気の通り道」から「空気環境を制御する装置」へと変わってきています。

  • 二酸化炭素濃度センサーと連動した風量制御

  • 温湿度に応じた風向の自動切り替え

  • HEPAフィルターやUV照射による殺菌機能付きダクト

  • リモート管理できるダンパーと制御装置

これにより、病院・オフィス・学校などで感染症対策や快適性向上に貢献する“スマートダクト”のニーズが高まっています。


✅ 3. 脱炭素社会に向けた省エネダクトと新素材開発

 

地球温暖化対策の一環として、ダクト材も軽量・高断熱・低CO₂素材への切り替えが進行中です。

  • アルミ複合材や発泡材での軽量ダクト

  • 内面加工で風の抵抗を減らし、省エネ運転を実現

  • リサイクル鋼板を使ったエコロジーダクト

将来的には、建築全体の**LCA(ライフサイクルアセスメント)**評価において、ダクト材選びがCO₂評価に直結する時代が来るかもしれません。


✅ 4. 人手不足と“省人化施工”への挑戦

 

建設業界全体の課題である人材不足。ダクト工事も例外ではなく、若手職人の確保が難しい状況が続いています。

そこで注目されているのが:

  • ダクト自動加工機による工場製造の自動化

  • 吊り込み用アシスト機器(天井昇降台など)

  • AR・MRによる現場ナビゲーション

“道具が職人を支える”時代から、“テクノロジーが職人を育てる”時代へと、現場の進化が始まっています。


▶ まとめ:未来のダクト工事は“空間の質”を創る仕事

 

これからのダクト工事は、単なる「配管」ではありません。

  • 空気の質をコントロールし

  • 快適な空間をデザインし

  • 地球環境と調和する建物づくりに貢献する

そんな未来型のダクト工事が、健康・安全・持続可能な暮らしの礎となっていきます。

私たちが日々呼吸するその空気の背景に、未来を見据えたダクト工事がある。
そう信じて、今日も私たちは天井裏の“見えない現場”で、着実に進化を続けています。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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