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第10回ダクト工事雑学講座

皆さんこんにちは!


株式会社打田設備、更新担当の中西です。

 

 

 

ダクト工事の鉄則

~プロが必ず守るべき5つの基本~


前回の「ダクト工事の歴史」に続き、今回は現場で働くプロが大切にしている**「ダクト工事の鉄則」**について、じっくりとご紹介していきます。

空気の通り道であるダクトは、正確さ・丁寧さ・安全性のどれが欠けても、快適な空間は実現できません。見えないからこそ、細部にまで気を配る。それがダクト職人たちの矜持です。


■ 鉄則①:空気の“流れ”を最優先に設計する

 

どんなダクト工事も、まずは空気の設計から始まります。
空気は、水や電気と違い「目に見えない」もの。その分、計算と経験に基づいた設計が求められます。

  • 無理な曲がりは空気抵抗を増やし、効率を下げる

  • 細すぎるダクトは騒音・振動の原因に

  • 太すぎると無駄なエネルギー消費やスペースの浪費に

これらを踏まえて、最もスムーズに空気が流れるラインを描くことが鉄則です。


■ 鉄則②:気密性の確保は“命綱”

 

施工の現場で最も大事にされるのが、接合部の処理=気密性です。

  • ジョイント部分はアルミテープやシール材で丁寧にふさぐ

  • 天井裏で見えない箇所こそ徹底チェック

  • ダクト内の風圧による振動も想定して強固に固定

ここが甘いと、空気漏れによる性能低下・騒音・結露・カビの発生など、後々のトラブルに直結します。


■ 鉄則③:清掃と点検を“想定して”組む

 

設置して終わりではないのがダクトの世界。
むしろ本番は「使われ続けるこれから」にあります。だからこそ、清掃・点検をしやすい設計にすることも大事な鉄則

  • 清掃口を適切な場所に設けておく

  • 足場のない場所には点検用のアクセススペースを確保

  • 内部が油汚れしやすい厨房ダクトは防火ダンパーの設置も忘れずに

数年後のメンテナンス性を想定できるかどうかで、プロの真価が問われます。


■ 鉄則④:使用目的に合った材質を選ぶ

 

ダクトにはさまざまな種類の材料があります。現場によってはその選定も命取りになることがあります。

  • 一般空調用 → 亜鉛メッキ鋼板製

  • 厨房排気用 → 耐油・耐熱タイプ

  • 病院・研究室 → 抗菌・抗腐食性の高いステンレス製

  • 外気取り入れ口 → 断熱材付きの保温ダクト

「何を運ぶか」「どんな環境か」に応じた材質選びも、ダクト工事の鉄則です。


■ 鉄則⑤:安全第一。火災・感染・事故を未然に防ぐ

 

最後の鉄則、それは**「安全性」**です。
ダクトは火災時の煙を運び、空気感染のリスクにも関わる重要な設備。だからこそ、以下のような安全配慮が欠かせません。

  • 防火ダンパーの設置(火災時に自動で空気の流れを遮断)

  • 排煙ダクトの防熱施工

  • 汚染区域と非汚染区域を分けたゾーニング

  • 定期的なフィルター交換・漏れ検知の体制整備

命に関わる設備だからこそ、万が一を想定した安全設計が必要不可欠なのです。


■ まとめ

 

ダクト工事は、ただの「配管」ではありません。
空気という、目に見えず、しかし人の命と直結する存在を操る仕事です。だからこそ、どんな現場でも、緻密な計画・丁寧な施工・確かな管理が求められます。

この鉄則を守り続けることで、私たちは今日も「目には見えない快適さ」を届け続けています。

次回もお楽しみに!

 

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